「ソウルウェイブ(魂波)」の出現を本気で望みます~ターミナルエクスペリメント


今回は、私の大っ好きな本、SFです。

医学博士のホブスンは、死にかけた老女の脳波の測定中に、
人間の「魂」とおぼしき小さな電気フィールドが脳から抜け出てゆくのを発見した。
魂の招待を探りたいホブスンは自分の精神の複製を三通り、コンピュータの中に作りだした。
ところが現実に、この三つの複製のうちのどれかの仕業としか思えない殺人が次々に・・・
果たして犯人はどの「ホブスン」なのか?

(裏表紙のあらすじから)

主人公のピーター・ホブスンは研究の一環として
あるおばあさんが亡くなる時に、
その脳波を「スーパー脳波計」で測定します。
データを3D化したところ、そのおばあさんが死んだ瞬間に「何か」が出て行くのを発見するのです。
そして、それを「魂の波=soul wave」と名づける。

ピーターがそういう研究を始めるきっかけとして、
物語の冒頭で、医学生時代に経験する臓器摘出手術が出てきます。
ドナーはオートバイ事故で脳死となった青年。

心臓を摘出しようとした時・・
(彼の)胸が・・・法的には死んでいるドナーの胸が・・・大きくもちあがった。
呼吸器のチューブのまわりからあえぎ声がもれた。
 一瞬おいてもういちど。
「まさか・・・」ホブスンはささやいた。
(P23)

医学的にはドナーは明らかに脳死。
先輩医師の説明では、生命維持装置がつけられているから珍しくない反応。
しかし、ホブソンは図書館でいろいろ調べて、
「あの時ドナーは生きていたのでは?」と思うのです。
・・・・
そうして数年後、この「魂波」を発見します。
もちろん、これは「死」の定義を大きく揺るがすのですが、
この小説ではそれがメインではありません。

………

「改正移植法」が通りましたね。
「脳死」の捉え方も「移植の時に限り」変わるような事が新聞にもありました。

私自身が、生きられる限り生きたい、と思っているので
今回の事で、多くの子供が助かるチャンスが増えるのは本当によかったと思います。

でも、往生際が悪いので臓器提供はというと、「角膜」までしか決心できないのです。
だって、もしその後回復しても「失明」だけなら納得できるから・・・

それに・・・これもSF映画で恐縮なのですが、
スタートレックの映画で、メインメンバーの一人医師マッコイが
妻が不治の病となり、安楽死に同意したものの
その直後に画期的な治療法が発見され、
自分の決断を後悔して精神的にダメージを受けている、というシーンがあったのです。

ですから、このニュースが報道される度に
要するに「脳死」つまり絶対に回復しない脳の状態」というものが確実に判断されない限り
ドナー側の家族にとっては、マッコイと同じ想いが多かれ少なかれ残るのではないか?
と、この小説とマッコイの事が浮かぶのです。

矛盾している様ですが、
最近の様に、脳の研究とか医学が進めば進むほど、
「回復」の可能性も感じて、
だからこそ、この「魂波」本当に誰か発見してほしい!
小説では2011年には発見されてるんですよね~。

さて、ちょっと重い話になったこもしれませんが、
小説そのものは、最初に紹介したようにSFサスペンス!
わりと分厚い文庫ですがグングン読めます!
この3連休あたりにいかがですか?

この小説では、
ピーターの妻が、子供の頃父親に愛されなかったことの影響でいろいろと「事件」が起きる、
というまさしく「アダルトチルドレン」っぽいエピソードがあったりして、
読み返してまた興味深かったです。

今日はいつにも増して、独りよがりな記事でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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コメント
こんばんは。

脳死とか、臓器移植の問題って本当に難しいですよね。
ドナー側の気持ちと、それを受け入れる側の気持ちと
その両方を思うと、どうするのが善いのか
分からなくなります。。

あまり問題にはなりませんが、
命の始まりをどの時点にするか、という定義も
実は曖昧だったりします。。

命の問題。。
神様ではない不完全な人間が対処するのですから、
きっと完全なる答えなんて無いと思うのです。
だからこそ、慎重の上にも慎重に一人ひとりが
向き合うべき問題なんですよね。

このSFもamazonでレビューを見たのですが、
面白そうですね^^

いつも、ありがとうございます。
2009/07/16(Thu) 23:31 | URL | Penguin-oyaji | 【編集
ペンギンオヤジさんへ
ペンギンオヤジさん、こんばんは。

早速コメントありがとうございます。

「命の始まり」の問題。
そうなのです。
書ききれなかったのですが、そのエピソードもこの物語には描かれていて、
なかなかこれも考える事が多いのです。

といっても、
読んでる間は物語に引き込まれてどんどん読んでいくんです。
それが、ニュースや出来事に触れるとき
ふと、この本のエピソードが浮かんでくるんですよね・・・

でも、ペンギンオヤジさんのコメント読んで、
本当はきちんと向き合わなければいけない問題を
「魂波の発見」に逃げてるんだなぁと反省しました。
ありがとうございました。

この本!
でも、本当に私はオススメ!
SFなので、好き嫌いがあるとは思うのですが、
「たまには違うものを・・・」というときに思い出して読んでいただけると嬉しいです!

いつも、コメントありがとうございます。
励みになります!
2009/07/17(Fri) 21:00 | URL | eries.m | 【編集
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